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「これからまくタネ」 51
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「うらめしー!」51
テレビのタレントさん。楽しそうだ。生き生きしている。僕は気が付くと背中丸めてそんな
人の自伝を読んでる。政治家の人たち、僕なら1度で寝込むようなことを言われてもへっ
ちゃらな顔をしている。なんでへこたれないの?僕も「カエルの面にしょんべん」みたいな
人になりたい。握手を求めてたった一人から拒否されただけで僕ならがっくりして止めて
帰っちゃう。だからティッシュ配りのアルバイトも出来そうにない。やってみろって言われ
ただけで瞬間冷凍。自分で何かが出来るってことが信じられないんだよね。なんでこんなに
自信がないのか、自信満々の人と何が違うのか?そういえば何でも出来るって人じゃなくて
も僕より楽しそうに笑っているじゃない。僕も前よりはいろいろ出来るようになったはず。
スーパーマンになりきって布団の山から風呂敷をマントにして飛び降りたら足をくじいちゃう
わけ。怖がってるから。颯爽と外に走り出て家の回りを友達と走る。出来ればみんなより1mm
だけでいいから速く走れると最高だよね。一生で一度で良いから100M走で1等賞取りたい。
何にも努力しないで。だって練習すると今現在の惨めさを感じちゃうから。華々しいことが
出来た人の書いた本をただ読んでいるだけじゃホントに何にも起きないって事を毎日毎日経験
して嫉妬し続ける。これが何か自分の為になっているんだろうか?周りにいる人みんなが
羨ましいし妬ましいよ。
まわりのみんなががうらやましいんだよーーーー!! ぁっ!ちょっと気が済んだような。
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「これからまくタネ」 52
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「力を合わせて」52
訓練のひとつに短艇訓練というのがある。救命ボートを実際に漕ぐわけだ。僕は腕力、特に
左手の握力がいまいち人並みになっていなかったので、肩で担ぐだけでかなりの重量がある
オールを他のメンバーとタイミングを合わせて漕ぐのが大変。このオール、船の中に入っている
部分は短くて、外に出てる長さが長いでしょう?だから握る部分にでっかい金族の塊が入って
いてバランスを取ってあるから重いんだよね。全員で漕ぐタイミングを合わせないと前後に
座っている人とオールが絡まっちゃうでしょ。そうなると船が進まないだけじゃなくて下手する
と高価なオールを海に流してしまうことになるんです。レースに向けての練習だから一生懸命
漕ぐけれど、皆に迷惑掛けないでかっこだけ出来るようになるまでも大変。手と尻の皮がすり
むけて当たり前。あっ間違い尻の皮はむけちゃいけない。なんでかって?チカラ入れて全力で
漕いでいれば座ってられないはずだから。そういえば普段の生活で周りみんなのことなんか
を考えて生きてこなかった。自分が具合が悪い。自分はかわいそう。自分が不運だ。なんでも
自分一人の事ばっかりしか考えてなかったかも知れない。かわいそうなら周囲の人が合わせて
くれるし大事にしてくれると思ってきたよ。でもしかたないんだ元気でいても1番じゃなきゃ
誉められないんだもの。そんなの無理だからかわいそうが一番さ。
そうなんだけどみんなと大声でかけ声掛けて力を合わせているって気持ちいいなー。
疲れてくると大変だし先生には怒鳴られるけど、これには酔える。こんな世界もあるんだね。
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「これからまくタネ」 53
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「漂流者」53
夏休みに期限の切れそうなゴム製の救命いかだを使って(湾内の海流の調査の為もあるんですが)
漂流すると乗っている人がどうなるかの実験に協力しました。K君も一緒でした。救命いかだ
ってコナンの映画を見た人は分かると思うけど船の上にいくつか乗っている白いカプセルのよう
なものを落下させるとみるみる広がって人が乗れるようになるんです。これに一泊2日乗り込んで
本当に海上を漂流しようと言うわけだ。
ボーンとふくらんだこの乗り物に乗った瞬間「きた!」強烈なゴムの匂い。輪ゴムの袋に鼻を
つっこんで息をしているのと同じだと思って。深呼吸したらそのまま吐きそう。それから床も
それなりに空気が入っているけれど波につられてふわふわ動く。この頼りなさ、あまり経験した
ことのない揺れかた。床に寝ころんでも体が波と一緒にゆらゆら曲げられるのです。たこやいか
になったようでなかなか眠れない。周囲の壁(浮き輪の内側)に寄りかかっていないとあぐらを
かいてもいられない。まあ屋根は付いているから直射日光からは守られるし、床から海水の冷たさ
がじわーっと伝わってくるから暑さは大丈夫。やっと慣れる頃実験が終了。最初感じた頼りなさ
はだんだん信頼感に変わり、ゴムのにおいにも慣れて、ふらふらしながら「短期間なら住めそう。」
な感想を持った。
なんだ、状況はまるで変わらないのに感じ方はかわる。頼りないのは筏じゃなくて僕のココロか。
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「これからまくタネ」 54
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「バイクが無い。!」54
3回目の冬休みに学校から自慢のバイクで家に帰った。父はどうかと気をもんでいたけれど
以外と興味津々「俺は昔の免許でどんな大きさでも乗れるぞ。」と近所を1周して来たほど
だ。「良かった。」というか助かった。上級生になるといろいろ忙しい。家にバイクを残して
帰ったのだった。さて次の春休みに愛車にあえると意気揚々と帰省したのですが、家の前に
真新しい250CCのバイクが停めてある。「オヤジが意外に気に入って自分のバイクを
買ったのかな」と思いきや、なっなんと!「お前のバイク古いし危ねえからいいのにしてや
った」「あんな猿みたいな乗り方のは良くない」(前傾姿勢のこと)と言うではないですか。
つまり勝手に下取りに出して自分の気に入った新しいバイクに変えてあったのです!!絶句。
どうしても取って置いて欲しいかどうかは別として、なにか一言連絡をくれても良さそうなもの
でしょう。ふてくされるのも忘れて立ちつくしました。僕にとっては古くても大事な意味の
こもったバイクだったのです。赤いRD(バイクの名前)さようなら。トホホ 文句も出ずに
黙ったまま。
こんなとき普通なんか言い返したり怒鳴ったりするだろ。それが出来ないようじゃまだまだ。
自分でも大分意思表示ができるようになったと思っていたのに。
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「これからまくタネ」 55
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「自転車マニア」55
僕の部屋の向かいに住んでいるI君の部屋にいくとタイヤの細い自転車とタイヤを乗せる
装置に向かったI君。あまり話したことはなかったけれど太い足が印象的な彼に「それは何?」
「タイヤを調整してんだよ」部屋には自転車の「部品の」ポスターが貼ってあった。
「なんで自転車じゃなくてただの部品がポスターになってるんだ?」「最高だろ!」なんで?
「こんなもんでも結構高かったりするの?」「40万するぜ」「げっ!!」
こいつ変だ、それにこの自転車ブレーキが付いていない。足を止めても「ジーっ」と空回り
しない。足を金具で縛ってあるじゃん。足が着けなきゃどうやって止まるんだよ。こんな
恐ろしい乗り物に良く乗ってるな!?「練習って何キロくらい走るの?」「100キロ位は楽さ
それより内容だぜ」なんだって?中学のとき行き帰りに3キロくらいは乗ったことあるけど
こいつ自動車の話ししてるんじゃないの?それにこんな自転車で峠も登るらしい。変だ、あり
得ない。後で自分が彼にうんとお世話になって、自転車旅行まですることになるとは思わなかった。
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