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「これからまくタネ」 46
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「オートバイ」46
なんだかんだで16歳、強く言われるとなんでも「はい はい」。肯定できない事にはただ黙って
貝のようにやりすごす。そんな自分がたまらなった。でも言い返そうとすると、途端に声がうわ
ずっちゃうんです。息苦しくなって体中具合が悪くなるんです。相手に対して極度に緊張しちゃう
ワケなんだけどそんな体の変化に逆らって頑張るより言うことを聞いちゃった方が楽なわけです。
その繰り返し。
これはね、なったことある人にしか分からないと思いますよ。もういい年のお兄ちゃんなんだから
、小学生じゃあるまいし。とバカにされるだけでしょうけど怒っている人になにか言い返すという
ことが出来れば人生180度変わっちゃうだろうと思うほど大きな、そして越えるのが不可能に思える
位高い壁です。解決方法は全く自分では分からない。どうして未だに人に言い返せないのか分かりません。
ただただ、「出来ない」の。小さな頃の育ち方が尾を引いている。逆らうと恐いことがおこる。結局
言うことを聞くはめになる。こう信じているのかどうか。とにかくただ時間が過ぎれば治るものじゃ
ないことは間違いありません。今ならカウンセラーだとかそれを扱う場所があるでしょうが。
そして思いついた解決方法が「ちょっとだけ悪いことをしてみる」です。なんだこれ。規則を破ったり、
学校や大人たちに反抗したり出来ない人は真面目ってことを恥じたり隠したりしたいものなんだと思
います。守っている方が自分が楽だからきちんと守っているに過ぎない。そんなとき雑誌を見ていたら
バイクが欲しくなりました。親父は絶対怒るだろうな。学校でも禁止だし。でもいいやこのまま
「真面目」なだけじゃだめだ。と「真面目」に考えたんです。ホント、バカみたいですね。
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「これからまくタネ」 47
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「父に白状しちゃった。」47
どきどきしながら250ccの赤い中古バイクを頼んでしまいました。初めて親に内緒の事が出来た。
何度店に通っても自分のものみたいじゃないけれどとにかくちょっと悪いことが出来たぞ。思った
以上にドキドキする。こんなスリルは無かったな。僕のことを滅茶苦茶怒った父にちょっと仕返し
出来た気もするぞ。でもちょっとお金が足りないから後は来月でお願い出来ない?。と店長に言って
みたのがいけなかった。「念のためご両親に電話するね。」えー!!「やばい、これは絶対やばい」
学校で禁止されているんだもんな。短い時間でぐるぐると考えたけれどおおかたお金を払っちゃって
あるし成り行き上頭真っ白の僕から鋭い返し技がすぐ思い浮かぶわけもないのです。ピンチだ。
どう考えた結果、そうしたのか忘れたけれど結局あっけなく白状することに。悪いことも才能がいる
ことを初めて経験した。ところが、電話の向こうで父はなぜか殆ど怒らなかった。そう拍子抜けする
くらい。もちろん学校で禁止なのは内緒。家に帰ってこい!!!!と怒鳴られて、地獄が待っている
んだと覚悟していたのに、、どうして怒らないのか?理由は何年か経ってから分かったけれど、親に
内緒で悪いことをしてみたかった僕としては大失敗。すげー中途半端。親公認だと意味が無いじゃない。
隠して持っているわけだから置き場所に困って、同期の友達K君の家に置いてもらった。悪いこと
しているのでK君のお母さんにとても申し訳ない。なんかちょっとだけ悪いこと出来たと喜んでたのに
これもまた辛いね。ほんとこういうの向いてないわ。豪傑に憧れてはいるけど、向き不向きで言えば
やめたほうが良かったんじゃない?それでもK君と休みの度にいろんなところへこっそり行ったよな。
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「これからまくタネ」 48
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「地面のひもの」48
ある日K君と新潟までバイクでツーリングへ行ったんです。お世話になっているK君の家や他の人に
二人でおみやげを買ってリュックにいっぱい詰めてきました。もう少しで帰り着くというところで
相当夜遅くなっていたのですが、突然パトカーに停止させられました。暗くなったガソリンスタンド
で職務質問されたのですが、もうドキドキ、だって交通違反したわけでもないのに警察官から職務
質問なんてね。どうやらリュックいっぱい何かを背負って夜中に二人乗りしているので、ドロボウ
かと思われたらしいです。こちらも学校に隠れてバイクに乗っているわけだからもうしどろもどろ。
リュックの中身を見せるように指示されたのでK君がスタンドのコンクリの上に中身をずらっと並べ
たんです。出て来るわ来るわ、沢山の干物(ひもの)の山。かなり×かなり間抜けなシーンです。
警官もあきれて解放してくれましたが、そのあとK君とわーわーバイクの上で騒ぎながら帰ったと思う
う。そのリュック、実はその日の昼にK君が別のバイクで転んで宙を舞ったのですがリュックと干物
のおかげで軟着陸して無事だったんです。中身のあじの開きは無事だった。警察官は呼び寄せるし
このリュックは大活躍です。警官に質問されているときはブルブルビクビクしっぱなし、悪いこ
としようと思ったってこれじゃあね。悪の権化みたいな人も尊敬します。僕にはなれません。
コメントをいただいた言葉をお借りして僕がささやかにでも一生懸命やっていた事が主張と反抗の
どちらかといえば間違いなく後者ですよね。このころ両者の区別は全然できなかった。
「勝手なことを言う」=「青年の主張全国大会」 と
しか考えていませんでした。でもね、それもね、決して悪くはないんだ。若いって事さ。
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「これからまくタネ」 49
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「意外な天国」49
専門学校ですし全寮制なのでどこか軍隊のようなところがあります。完全なトップダウン式の命令
系統を徹底させるんです。ほら「船頭多くして船、山に登る」なんて言うでしょう。だから上の船長
さんはすべての責任を負うし、その代わり部下は命令を絶対に聞くわけ。これ、こんなこと言うと
非人間的に聞こえますけど順応しちゃえばこんなに楽なことはないんです。船なら動いてるんだから
話し合いで決めてる間に座礁しちゃうってば。僕は父からそのまんまの育てられ方をされて来ました
からとても快適。意外な天国。全員が発言自由の平等世界は大変だ。工夫しなきゃ。決まりがないか
ら身の置き所がわからない。居場所まで自分で確立しなきゃいけないでしょう。
社会不適応のみんな!こまったら上の命令絶対の世界に行こう!居場所はすぐ決まるし、結構順応
出来るかも知れないよ。
下は上の言うことを聞く、その代わり上は身内を守るわけで。実は柔道部に怖い先輩が居たために
生意気なこと言った時にあまり殴られなかったというそんな構図になっていたんです。先輩ほんと
にありがとう。気がついたのは卒業するころです。ホント気の利かない下級生でした。ごめんなさい。
だけど逆の意味で自分の意見を言ったりしないまま毎日が過ぎてゆきます。反論は考えちゃいけ
ないんですから。考えなくても済むわけ。僕の悩みは消えないまま。相変わらず自分の主張が
出来ないので、社会に出るのが不安でしかたないのです。「修行」なんて特別のところに行って
やるもんじゃないよ。逃げて、楽してるだけ。
本当の修行は普通の生活だよね。働いて、知恵を絞って、人間関係に揺れて。
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「これからまくタネ」 50
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「楽してなんとか」50
僕は自分の人生が思うようじゃないのに悩んでいましたから、自己啓発の本なんかを片っ端から
読んで読んで読みまくっていました。だけど自分から何か行動することが苦手だから、頑張って
やれ!というような本からはだんだん遠ざかる。例えば「目の前のドアを閉められたときから
セールスが始まるのだ!」とか「始めなくてどうして成し遂げることが出来るのか!」とか
「相手に負けた時は負けではない、本当の負けは自分に負けたときである!」とかね、いくら
でも出てくるぞ。
初対面の人に商品を買ってもらおうとしている状態を想像しただけで熱が出そうな人なんだから、
読んでるときはまるで007か何かスーパーヒーローになったつもりなのに本を置いた瞬間から
虚脱感のかたまり。出来ると思えないもんね。もうそれで満足しちゃう。ついつい安易な方に
逃げ道を探すワケね。
「眠りながら、、、」シリーズ(眠りの小五郎じゃないよ。)など大のお気に入りで30冊くらい
を繰り返し読んでいました。(本屋さんに今でも沢山並んでいるよ。)そのほか何にもしないで
ただ想像するだけで夢が叶ったり、才能が開花したり大金持ちになったり、そういう本ばっかし
読むようになるわけ。教材でもよくあるよね、ただ聞くだけでいいとかね、魅力的でしょ!?。
でも「結論から言えば」と元も子もなく言うと、一生懸命まじめにいろいろ想像したけれど、突然
地球の裏側の会ったこともない親戚が莫大な遺産をくれたりしなかった。(本気に待っていたのに。)
突然、僕の近くに紳士が寄ってきて「すばらしい!なんとすばらしい才能だ!」なんて言っても
くれなかった。それどころか彼女すら出来ない。夢のような本を読めば読むほどテストの点まで
遠ざかる。あっ、別に間違ったことが書いてあるワケじゃないよ。効果があったり夢のような生活
を手に入れた人もきっといるでしょう。でも僕にはなんにも来なかった。くたくたになるまで
一生懸命夢見たのに。
だからちょっとひがんでいるだけだよ。 もぅー!
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