(ト)ゴミが気にならなくなったりする練習はしたけど、これがどんなふう に役に立つわけ?私はもうちょっとビクビクしないようになりたいのよ。 (テ)トトちゃんの例で説明するね。包丁はちょっと。あんまりいい例じゃない。 でも慣れないうちは極端な例がわかりやすいと思って。もう忘れてよ。 人は体験したことは信じるようになっているみたいなんだ。みんな信じて るでしょ、前に体験したこと。「思い出」ってどんなもの?昔起こったこと だよね。今なにを思い出す? (ト)ママに昨日怒られたこと。ぜんぜん悪いことしてないのに、「何にもしないのが 悪い」って怒るの。 (テ)猫が何にもしなくても普通だと思うけどね。(笑)まあいいや。それはホンモノの思い 出だよね。本当にあったことでしょう?どんな気分だったの? (ト)ママはすごくこわいわよ。おこられると汗はでるし体が震えちゃうの。ああこわい!。 ママの顔を思い出すだけでゾーッと寒くなるわ。 (テ)はい!ちょっと待って。怒られたのは昨日だよね。どうして今思い出して寒くなっ たりするの。 (ト)え?当たり前じゃないの。こわいことを考えたらそうなるでしょ。誰でも同じよ。 (テ)でも変じゃない?ここにはママはいないよ。だから今、ママに怒られることは無いよね。 (ト)それはそうだけど、、、何が言いたいの? (テ)さっき忘れてって言ったばかりで悪いんだけど、包丁を石にごりごりしたね。 おもいだせる? (ト)思い出せるわよ。すごく悪いことをしたわ。あんなこといけないわよ。 (テ)それも同じ「思い出」じゃない? どう? 間違ってる? 「悪いことした」とかその時に感じたことまで思い出せるでしょ。 (ト)うーん。それもそうなような気がする。でもすごく変なこと考えてるような気もする。 (テ)はっきり言っちゃえばね。「思い出」は勝手に作ることが出来るんだよ。 思い出があるってことはね。「体験した」ってことだよね。さっき人間は体験した ことを信じることになってるって言ったでしょ。それが「ハート辞典」の使い方。